興味、関心は最大のパワーになる。そして、経験という強みがあれば起業はできます。仕事について、楽しいからやるというマインドは少し違います。仕事が楽しいから残業ができる、仕事が楽しいから苦労と思わない、と思う方もいるでしょう。しかし、起業といっても遊びではありません。立派なビジネスです。商品やサービスを提供することで対価をいただくわけです。
お客様は大切なお金を払って、商品やサービスを購入するわけです。どんなにあなたが素晴らしい商品やサービスだと思っていても、時にはこんな商品やサービスは思った物じゃないというお客様が必ず現れてきます。それがクレームになり、お客様から怒鳴られることも経験する場合もあるでしょう。
お客様から怒鳴られることを楽しいと思う人はいません。商品やサービスがどんどんと売れていく数とクレームを抱える数が比例して増えていくでしょう。それでも仕事が楽しいと思えるかという点です。仕事は楽しいけど、販売が苦手になり分かり合ってくれる人たちだけに商品やサービスを提供していくことになってしまいます。これでは起業とはとても言いがたい結果になってしまいます。
仕事とは、企画、制作、販売、アフターをすべて含めた上で対価をいただくということを忘れないで欲しいのです。なので、クレームも仕事の一部として考えてください。決して、楽しいから起業したいと思っていると「なんか違う」と思う日がやってくるでしょう。
楽しい世界を見せるだけみせて、起業させようとする人もいます。あなたが手がけた商品やサービスなので、最後までしっかりとお客様に喜ばれる仕事を目指してください。本気で起業をすることはクレームも抱えて、資金繰りや販促も最初はすべて一人で考えなければならないのが一般的です。
あなたは、なぜ起業をしたかったのですか。今までの経験を強みにして、独立したかった。上司から指示されて仕事はしたくなかった。私ならもっとうまくやれる。こうするともっとうまくいくのに~。色々と思うところがあって起業を目指しているはずですよね。実際に私もそうでしたから。
ここで重要な点は、職人派かディレクター派に大きく分かれます。あなたはどちらですか? 職人派それともディレクター派。
職人派は言わずと知れた頑固なラーメン屋というイメージですね。自分の商品やサービスには絶対の自信があり、他には絶対に負けなという強い意思がある方です。一度、調理場に入ると会話もまったくしない、無愛想なオヤジです。汁まで飲み干せと言わんばかりのプレッシャーです。
ディレクター派は、今までの経験をもって現在の状態と将来の目標をしっかりと持っており、それを組み合わせて理想の仕事を目指します。自分の商品やサービスには自信があるが、時代の流れや流行に敏感でいつも将来を考えながら見ている方が多いです。商品やサービスを渡した瞬間のお客様の表情をよく見ていたりします。
どちらも一長一短はあるのですが、どちらが向いているということを言いたい訳ではありません。まず、あなたの特徴を知るということが大切なのです。職人派であればディレクター派の良いところを取り込んでいかなくてはなりませんし、ディレクター派であれば職人派を見習うべき所があるはずです。
マネージメントが起業には必要なのです。企画、制作、販売、アフター、経理すべてを一人で行なっていくことになります。時には、職人になりディレクターになり、経理も行ない、決済もする。
起業の当初はこれらをすべて一人で行なっていくことになります。